マッチングアプリで出会って1年たった頃。
リョウくんとの関係は、ゆっくり、でも確かに深まってきました。
ある日、彼がこんな提案をしてくれたんです。

たまには旅でもしてみる? 二人で、遠くまで。
私、即答しました。

「行きたい!もう、めちゃくちゃ行きたい!」
JRのおでかけネットの「サイコロきっぷ」にチャレンジして、出た行き先は「出雲市」。
まるで縁結びの神様に呼ばれたみたいで、ふたりして大盛り上がり!
「カニは絶対食べたいよね」「酒蔵もハシゴしたいな〜」「出雲大社、早起きしてお参りしよ」
彼とプランを練る時間は、まるで学生の頃の修学旅行前夜。
あの時の私たち、まるで20代みたいにキラキラしてたと思います。
でも――
出発前日、まさかの大寒波。
普段めったに雪が積もらない瀬戸内が、白く覆われて…。
出雲市行きの電車は、運行取りやめに。

「……仕方ないね。これはもう、神様に呼ばれたんじゃなくて、“次のお楽しみに”ってことかな」

「じゃあ今日は、うちでゆっくり呑みましょうか?」
そんなわけで急遽、我が家で“家呑み”に変更。
近所のスーパーで買ったお刺身と、ちょっといい日本酒。
彼が慣れた手つきでおつまみを作ってくれて、ふたりで乾杯しました。

「こんな夜も、悪くないね」

「うん。むしろ、すごく幸せかも」
旅行には行けなかったけど、
旅の計画を一緒に立てた時間、
「どこ行こうか」「何食べようか」って、笑い合っていた時間。
そして、がっかりしながらも「じゃあ家で飲もうか」と切り替えて、
ふたりで過ごした、あたたかい夜。
行けなかったけど、心は旅してた。
そんな風に感じられる相手がいるって、いいなって思いました。
50代で夫と死別して、
「もう恋なんてしない」と思っていた私が、
マッチングアプリで出会って、人生の景色が変わりました。
今、誰かと一緒に笑える時間がある。
それは、奇跡でもドラマでもなくて、
ちょっとの勇気とタイミングで、誰にでも起こりうること。
もし今、心のどこかにぽっかり空いた隙間があるなら。
ほんの少しだけ勇気を出して、扉を開けてみませんか?
コメント